眠れない夜に読むと眠れなくなるかもしれない7+1の寓話の第二章

グーは荒れはてた街にやって来た。
地上から住人たちの話し声が聞こえた。
「家を背負って歩くのは疲れるよ。この重さはいつまでも慣れない。
早く家を下ろして、熱いシャワーを浴びて、美味しい食事をして、ベットに飛びこみたい」
住人たちは口々に不満を言い合っていた。

イヌ小屋を重そうにせおって歩いていたイヌにグーは話しかけた。
「やー、大変だね」
「本当に大変だよ。ボクは犬小屋なんかいらないのに、放り出すとかい主にしかられる。
だから、仕方なしにせおって歩いている。
ボクは地面で寝る方がずっと好きだ。
もし、自分の体と同じ広さの、よく乾いた干し草があればそれで大満足さ。
昔はエサはそまつで立派な首輪もなかったけど、自由に山や草原を駆け回って楽しかったよ」
夢見るように、イヌは話しつづけた。

グーはイヌだけに小さくささやくように「グーグー」と、歌ってあげた。
すると犬は犬小屋を放り出して地面に転がり、気持ち良さそうにいびきをかきはじめた。

住人の一人が居眠りしているイヌを眺めてつぶやいた。
「イヌはいいな。先のことなど何も心配せず、土の上で眠ることができる」
他の住人たちも口々に言った。
「イヌを見ていると、なぜかおれたちの方が貧しく思えてしまう」

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