i-236「小春じい」

小春じいの家には昭和の電波が入る。今夜は佐藤しのぶのロンドンデリーの歌を、彼らは白黒ブラウン管テレビで聴いていた。

テレビの前に広げてあるのは昔の「月間ザテレビジョン」
それで番組選びができる不思議な家だ。
ときおり画面が乱れた。
するとゴジちゃんがテレビを叩きに行った。

昔のテレビは真空管式で、接触が悪いと異常がよく出た。
そんな時はポンと叩くと治った。

LONDONDERRY AIR
To lie and faint within your silken bosom
そなたの絹のような胸の中に、横たわり気を失っただろうに・・

ポチはその歌詞のあたりで、
佐藤しのぶのふくよかな胸に感激し、死んだ母親を思い出してしんみりした。

ポチの母親はペンギンで、父親はオカメインコ。
しかし、ポチは父親のように飛べないし、母親のように泳げない。
その葛藤がポチの精神形成に深く影響している。
小春じいの世界は、昭和と現代が交錯する異空間だ。