眠れない夜に読むと眠れなくなるかもしれない7+1の寓話の第四章。

グーは月夜の港町に漂ってきた。港ではライオンが「ガオウ、ガオウ」と吠えていた。
港の動物たちはクモの子を散らすように逃げ出して、
物かげからこわごわとライオンをながめていた。

ライオンはグーに気づいて、気まずそうに言った。
「本当はみんなが大好きさ。
食べると美味しいからだけ、ではないよ。
うっかり誰かを食い殺さないために、吠えて追い払っているのさ。
オレは孤独がきらいなのに、いつも逆のことばかりしている」

一しきり吠え終えたライオンは月夜の道をねぐらのある丘へトボトボ歩いた。
グーはついて行きながら話しかけた。
「ライオンが一番こわいのは何?」
「それは死だな。他の動物を食って生きているから、死の怖さは誰よりも良く知っているさ」
「ライオンが死ぬのはずーっと先のことだよ」
「確かに今のオレはとても元気だ。
でも、次の瞬間には年老いて死の床で苦しんでいると思う。
オレは死に至るまでの孤独な時間が一番こわい」

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