i-163 「自転車・bicycle」
梅雨の晴れ間の上野池の端。 光に溢れた不忍通りを颯爽と過ぎていく自転車の女性が心に残った。 彼女は絵のように翻るスカートを直そうともせず、すっくと前を向いてペタルを漕いでいた。 凛とした美しい横顔が心に残っている。 この界隈は江戸の頃から住んでいる人が多い。 「小股が切れ上がったいい女」とはこのような人を言うのだろう。