p-223「ゴースト&レディー・Ghost & Lady」

劇団四季の招待日だった。「ゴースト&レディ」藤田和日郎氏の漫画・黒博物館・ゴースト&レディの舞台化。主人公は看護に一生を捧げたフローレンス・ナイチンゲール。劇場のゴーストのグレイと令嬢フローレンス略してフローの深い絆を、クリミア戦線を舞台に骨太に描かれていた。

演出と美術が素晴らしい。
この作品は劇団四季歴史の集大成だと思った。
日本の漫画原作はストーリー展開がしっかりしている。
このミュージカルは国際的にも高く評価されるはずだ。

今まで、劇団四季の公演はほぼ全て観ているが、今回は全てを超えていた。
ニューヨクの本場と一線を画した、日本の独自性があり素晴らしい。
待ち望んでいた国際舞台で評価される日本発作品が現れたと感慨深い。

クルミア戦争の悲惨さをしっかりと描いている。
クライマックスでは不覚にも落涙してしまった。
舞台後、照明がついてからのスタンディングオベーションの時、照れ臭くて立てなかった。

劇団四季の役者さんは全て歌って踊れる人ばかりだ。
タモリがしばしば揶揄していた昔のミュージカルとは全く異質だ。
国際的に通用する役者さんばかりだ。

絵はゴーストのグレイを殺した暗殺者デオン・ド・ボーモンを描いた。
とても実力のある存在感のある女優さんが演じていた。

今までのミュージカルと違うのは本格的な殺陣があることだ。
ワイヤーによる空中での死闘がある。
ナイチンゲールを主人公にしながら、ありがちな薄っぺらな聖職ものにしていない。
クリミア戦争の悲惨さを描き、悪役もしっかりと登場する。
実に骨太の作品で、今もずしりと心に残っている。

劇場は竹芝客船ターミナル近くの四季劇場「秋」
早く行って東京湾を眺めたり、その辺りのレストランで休むことができる。

個人的に残念だったのは、一人で観たことだ。
歳を重ねるに連れ、同じように感動できる友を次々と失ってしまった。
良い舞台を見た後は共感できる人と、新橋の居酒屋か喫茶店で一休みして語り合いたくなる。
それがないことを寂しく思いながら帰宅した。
夜道を歩きながら、遠い昔、劇団七曜日の宣伝美術をしていた頃の、打ち上げの華やぎを思い出した。