p-209 「浅草迷宮・Asakusa Labyrinth」

「東京迷宮」コロナ禍の正月に描いた。この頃とは違う意味で、今の東京は迷宮化している。秋葉原のフィギア専門店では、海外からきたオタクが、よだれを垂らしそうにウインドウを覗いていた。先日、浅草へ出かけたとき、カッパ橋のある田原町で海外観光客たちが下車して行った。
アメ横のエスニックな居酒屋の外テーブルでは、若い旅人が一人、ビールのジョッキを片手に、高架を過ぎる電車をぼんやり見上げていた。

迷宮には無目的に彷徨うの楽しさがある。
それは異郷での観光の極地かもしれない。
たとえば、バルセロナでサグラダファミリアに行くとか、
京都で金閣寺に行くとか、
目的があるうちは本当に旅を楽しんでいることにはならない。
その地が迷宮化したとき、目眩くような旅の楽しさが生まれる。
まさしく、今の東京がそれだ。