p-157「新聞配達・newspaper delivery」

昔は牛乳配達の自転車荷台のガラス瓶がガラガラとぶつかる音に目覚めた。
新聞配達の若者に、玄関前を掃除していた年寄りが「ご苦労さん」と声をかけているのが寝床まで聞こえた。
今はホンダカブの断続的なエンジン音がそれに代わり、人と人との関係は薄くなった。
私が上京した昭和30年代は、早朝から洋品屋や一膳飯屋が営業していた。
店は早朝勤務の工場労働者や日雇いの人たちで賑わっていた。
それらはコンビニや24時間営業のファーストフード店に代わった。