p-122「黒猫のガラス瓶・A glass bottle」バニーコルアート社蔵

「大切なものは見えない」クロネコはガラスビンを砂浜で拾った。耳に当てると海の音が聞こえた。クロネコは、素晴らしいことを思いついた。
クロネコは海の音をガラスビンに詰めた。
そして、それお土産に、街のシロネコに会いに出かけた。

でも、行く途中の山の中で、海の音は消えていた。
でもすぐに、クロネコは素晴らしいことを思いついた。
持っていた捕虫網で山の風を捕まえてガラス瓶に詰めた。
そして、風が逃げ出さないように、しっかりと栓をした。

街に着いた。
シロネコがガラスビンの栓を開けると、
ヒゲをゆらして山の風がスーッと通り過ぎた。
「とてもさわやかな香り。本当にありがとう」
シロネコはとても喜んでいた。

クロネコはシロネコと、しばらく街で遊んだ。
そして、海辺に帰る日が来た。
シロネコは、クロネコが大好きな色とりどりのジェリービーンズを、ガラスビンに詰めてくれた。

クロネコは帰ってから、ジェリービーンズを眺めながら、
シロネコと遊んだ街を毎日思い出していた。
でも、ジェリービーンズは少しづつ減って、空になってしまった。

クロネコは空になったガラスビンを耳に当てた。
すると、海の音と一緒に、シロネコの優しい声が聞こえた。
クロネコはいつまでも、ガラスビンを大切にした。